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そして、
ガチャッとドアが開く音と同時に入ってきた人物は…
昨夜公園でオレの腕を掴んだ女性、いや、不審者さんだった。
その女性は数秒無言を貫く。
その空気に耐えられなくなったオレは、
「なにか用ですか?」と冷や汗をかきながらも、頑張って訊いてみる。
ボソボソと女性がなにか言っている。
えっ?とよく耳を傾けると、
「歌手にならない?」と目をギラギラさせて言われた。
「遠慮しときます。」とすぐに返答を返すオレ。
すると女性は、
「なんでよ~。なに!?なにがだめなのよ~。」
とすごい声量で怒りまかせの言葉を発してきた。
特に理由もなかったオレは、
「だって、テレビに出れるほど容姿が良くないし……
それに、両親が了承してくれないだろうし。」
と返答してみる。
ちなみにこのときの仙の容姿は
前髪が目の下まであり、顔が見えないようになっていた。
本人曰く何故ここまで伸ばしたかと言うと
髪を切るのがめんどくさかったらしい…
その言葉に女性は、
「大事なこと忘れてたわ!!顔の形は良いと思うんだけどね~。」
「ちょっと前髪上げてみて。」
と立て続けに言う。
このときは仙は、根本的なところ忘れてたんだ……と内心思ったらしい。
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