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歴史は繰り返す。ギリシアの歴史家であるツキジデスの著書『戦史』に由来する偉大な言葉である。歴史上で一度起こった出来事は、場面や主人公を変えつつもその後も何度も起きることを意味する。二度あることは三度あるとも言う。
前章の自民党の憲法改正案について言うならば、1925年に加藤高明内閣が男子に普通選挙権を付与することを引換に治安維持法を成立させたのと似ているのである。その治安維持法は国体変革の罪に対する死刑の適応、予防拘禁制の導入とエスカレートし、GHQの命令で廃止になるまでに数多の人間を苦しめた。
その後は、日本史を学んでいる方に言うまでもないことだろう。だが、ここで敢えて通説をさらっとお話しておこう(箇条書きで原則時系列に従って並べる)。右寄りの方は反論したくなるないようであることは解っているが、ここは取り敢えず我慢していただきたい。
1、治安維持法制定(思想や学問、文学などが統制され、共産主義など国の体制を変えようとしている者たちも国の動きに迎合していく流れが組まれた)
2、満州事変(15年戦争の発端)が起こる(この時から国家主義(ナショナリズム)が高揚する)
3、5・15事件の勃発により犬養毅首相が暗殺され政党政治は終焉を迎える
4、国際連盟脱退を通告(2年後発効)
5、陸軍省が国防国家建設を力説し、政治や経済に対しても言及した。
6、政府が国体明徴声明を発表、「国体」の尊厳や天皇への絶対的服従を説き、更なる国家主義高揚に努める
7、2・26事件が勃発(軍部の政治的発言力を高まる)
8、日中戦争勃発
9、日独伊三国防共協定が成立(3年後に同盟となる)
10、大東亜新秩序建設声明が発表される(これが日中戦争の目的とされる)
11、ノモンハン事件勃発(この間に日米通商航海条例破棄の通告、日ソ不可侵条約締結があった)
12、第二次世界大戦勃発
13、大政翼賛会(国家規模の官製の上意下達機関)発足
14、御前会議で帝国国策遂行要領決定(交渉が駄目なら、米国と戦争することを決定)
15、日本側がハル・ノートを最後通牒と見なしアメリカとの交渉を打ち切り
16、日本軍が真珠湾を攻撃、太平洋戦争(大東亜戦争)勃発
17、ミッドウェー海戦で日本軍敗北(その後ガダルカナル島からの撤退、インパール作戦の失敗と負け続きになっていく)
18、東京大空襲(10万人死亡)
19、沖縄戦
20、原爆投下(広島、長崎)
21、ポツダム宣言受諾、終戦
22、GHQを中心に日本を占領(憲法改正などを行う)
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