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春が過ぎた頃、彼岸。
此処の仕事を任されて一体どれほどの年月が経っただろうか。何百、何千、それ以上か。あるいはそれ以下か。
小さな雑草を敷いた土手に座り、私は目の前に限りなく広がる水面・・・三途の川を見つめていた。
一面に広がるこれは一体何処から来て、何処へ流れていくのだろうか。これ程にも大きな水溜まりは幻想郷には無いだろう。そんな事を親しい閻魔様に言ったことがある。
そんな話を聞いた閻魔様は、何処か呆れた顔をして「その大きさは貴方が操れるものではないのですか?」と言われた。いや、確かにそうではある。私は距離を操る事が出来るのだから。しかしそれは私の能力を使って短く済ましているだけで、本当の距離ではないのだ。本当の三途の川はもっと広いのではないかと私は更に聞いてみた。
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