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「いい遊戯室ですね。ご家族の趣味ですか?」
「いーや。こっちも来客をもてなす為なんだが、もっぱらオレの遊び場だな!」
神崎の質問に対し、ビリヤード台を軽く叩きながら、辰巳が言った時だった。
遊戯室の扉が勢いよく開き、小学生ぐらいの子供が二人やってきた。
「辰巳にーちゃん!お客さんってコイツら?友達なんだって?」
艶やかな黒髪、つり目気味の明るい焦げ茶の瞳をした活発で少し生意気そうな少年がイキイキとした口調で辰巳に問う。
「お兄ちゃん。お客さんに失礼だよ…」
少年のすぐ後ろにいる少女は、腰まで長い黒髪に、垂れ目がちな焦げ茶の瞳、口調や雰囲気から大人しい印象がする。
「なんだ?ソイツら」
子供らの乱入に気づき、椎名が近寄ってくる。辰巳は、二人を見ると優しげな笑顔を見せた。
「お帰り、朱里に杏里。さ、お客さんに挨拶だ」
辰巳は、二人の頭を撫でる。二人の子供は、伸二らを見るとペコリと頭を下げた。
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