第一話 「探偵の休日」

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「久遠朱里。小学三年生だよ。杏里とは双子で、おれが兄なんだ!宜しくなー、お兄さんたち」 ニッと笑う表情は、どことなく辰巳に似ている。 朱里の自己紹介の後に隣に居た少女が恥ずかしそうに口を開いた。 「妹の久遠杏里です。同じ小学三年です」 「へぇ、二卵性の双子チャンってワケか!俺は、須田伸二。辰巳の高校時代からの親友でーす」 杏里の紹介の後、伸二がおちゃらけた態度で自己紹介をする。 「神崎です。宜しく、朱里君に杏里ちゃん」 「椎名龍之介。中学生」 続けて、神崎が二人と目線を合わせ、丁寧に名乗り、間を置かずに椎名も素っ気なく名乗った。 杏里と朱里は、来客である伸二らを珍しげに見つめた後、神崎に釘付けになる。 「金髪に青い目だ!兄ちゃん、何人?英語話せるのか?杏里、本物の外国人だぞ」 「……お人形みたい」 「イギリスと日本人のハーフなんですよ。英語も日本語も話せますよ?」 珍しそうに神崎をみる杏里と朱里だが、神崎は、慣れたものらしく、楽しげに子供らの質問に答えている。
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