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(神崎の奴、他人の前では、普通に振る舞えるんだよな。ま、俺も似たようなもんだがな)
神崎の振る舞いを見ながら、伸二は、愉快そうに笑いながら思う。職業上、さまざまな偽名や職種を演じる必要があるが、いつ見ても神崎みたいに振る舞うのには、負けると伸二は、感じ、苦笑いを浮かべる。
「朱里、杏里。挨拶はそれぐらいにしとけ。早く宿題済ませないと、夕飯に間に合わねーぞ」
「うわ、マジかよ。ご馳走食べれねーじゃん。行くぞ、杏里」
「じゃあ、夕御飯の時にね。辰巳お兄ちゃんたち…」
兄に手をひかれ、杏里はお辞儀をした後、遊戯室を出ていった。 その様子を見て、神崎は、微笑ましい笑みで片手をヒラヒラと振りながら見送っていた。
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