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(鋭いな、椎名の奴。つか、心配かけちまったなー)
渡された灰皿に煙草を置き、伸二は、目を細めた。
ふと、扉のノックが部屋に聞こえた為に伸二は、そちらに向かう。
ノックの回数から察するに草壁かと思い、扉を開けると、やはり草壁がそこに佇んでいたのだった。
「失礼致します。須田様……夕飯の準備が整いましたので、ご案内いたします」
「お!待ってました。椎名、神崎……行くぞ」
二人に声を掛ける。
草壁に連れられ、三人は、一階にある食堂に通される。
広々としており、ここも絵画が幾つか飾られていたが、至ってシンプルな内装だった。
長方形の長いテーブルには、八人分の食器が用意されていた。
「よ、お待たせ~」
すぐさま辰巳が現れた。
側には、先ほど出会った双子の朱里と杏里も着飾った姿で居る。
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