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「君が須田伸二さんだね?。私は、久遠新一郎。辰巳の兄であり、朱里と杏里の父だ。どうぞ、宜しく」
「改めまして、須田伸二です」
挨拶の為か、新一郎が伸二に近寄り、名刺を手渡す。伸二も同じく、名刺を渡し、丁寧な振る舞いをしたのち、再び新一郎を見る。
長身に短い黒髪を撫で付け、縁のない眼鏡をかけた三十代半ぐらい。
軽い印象がする辰巳とは違い、落ち着きがあり、厳格そうな男性だった。
(辰巳の兄貴、会うのは初めてだな。厳しい兄だって聞いてはいたが……)
話には聞いているだけで、新一郎と直に会うのは、初めてであった、どことなく近寄りがたい印象があるなと内心、呟くと隣にいる女性に目線をやる。
涼しげなショートカット、黒いスーツ姿、少し化粧が濃いが、美人には違いなく、知性的だが、やけにツンとすました背が高い女性だ。
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