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「んー、そうだな。ま、人様の事に口出し出来ないからなぁ。歯痒いけどな」
「そうね……当人たちの問題だから尚更ね」
しんみりとした声で神崎が呟く……そのすぐ後にメイドがワインとジュースを持って現れ、やや遅れて新一郎が戻ってくる。
「申し訳ない、部下がヘマをして……全く」
苦々しい表情を浮かべながら、経緯を短く説明すると、メイドが持つ銀色の盆からワインを受け取った。
そして、数分後、双子を連れて辰巳が戻ってきた。
「よ、お待たせ!若菜さん、熱が出て、参加できないって……お客様にごめんなさいって言ってた」
「いやいや、大勢で押し掛けたのは此方だからさ。しかし、会いたかったぜ?さぞかし美人なんだろーな、若菜サン。朱里と杏里を見りゃ分かる」
心配そうに辰巳が若菜からの伝言を伝えると、そんな友人を宥める様に彼の肩を軽く叩き、ついでに軽口を叩く伸二。
「ははは、相変わらず軽口を叩くのは、変わらないな、伸二」
楽しげに笑う辰巳を見ていた朱里は、イタズラっぽい表情を浮かべて笑った後、伸二に人差し指を突き出しながらこう言った。
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