103人が本棚に入れています
本棚に追加
/179ページ
数日後……よく晴れた日である。高速を走る黒の一台の車……それを運転するのは、伸二である。
車内には、ラジオ放送が流れている。人気DJの陽気な声が心地よく響く。
「いい天気ねぇー」
助手席に座っていた金髪の青年が嬉しそうに呟いた。
切り揃えられた髪型、やや派手だが、上品さがある革のスーツを纏う外国人の様な風貌をしているが、話す言葉は、流暢な日本語だ。伸二の友人である神崎……裏では名前が知られている情報屋であり、伸二の探偵業の仕事仲間でもある。
口さえ開かなければ、モデルや業界人と言っても違和感が無いが、口調や趣味が女性的なのである。勿論、それが悪いわけが無く、常識的でユーモアもある良い人物であるのだが。
「神崎……昨日、あんだけ飲んでてなんで、そんな元気なんだよ」
運転をしながら、伸二はうんざりとしながら言った。
それを聞き、神崎は、柔らかい笑みを伸二に向ける。
最初のコメントを投稿しよう!