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「辰巳様がお待ちです。辰巳様、須田様とそのご友人がいらっしゃいました」
広い部屋は、来客専用らしく、これまた豪華な内装をしている。
扉の側に置かれている小さな机には、蓄音機が置かれ、ジャズが流れている……。
壁には、鹿の剥製が飾られ、アンティークの棚には、クリスタルで出来たオブジェが幾つか飾れており、ステンドグラスで作られたランプが照明代わりにあちこちに置かれ、幻想的な雰囲気を出している。
その中で背が高い青年がにこやかに笑っている。
「ようこそ、遠路はるばるご苦労様でした」
ベージュのスーツに細い黒のストライプのシャツを着た、髪を明るい茶髪に染めている。指や手首にシルバーアクセサリーをつけた青年は、やや派手な印象が見受けられた。
「伸二!よく来たな!」
「お招きどうも。辰巳こそ、相変わらず派手だな」
互いに軽口をたたきながらも、表情は、柔らかい。ふと、辰巳は、神崎と椎名に気づき、二人に歩み寄る。
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