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12月10日
朝からずっとそわそわしてた。
高梨さんがああ言ってくれたおかげで大学には来てるけど、授業になんて全く集中できない。
会ったら何て声をかけよう?
やっぱりとりあえずありがとうございますだよね?
それからは?
もうどうしよーっ!?
そんなことばっかり考えてたら先生には当てられるし、学食では大好きなオムライスは売り切れだし…。
でもっ!!
今日は高梨さんに会えることを思えば全然へっちゃらなんだから♪
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やばーいっ!!
会ったら何を話そうとか友達に相談してたら本当に閉店間際になっちゃった!!
「すいませんっ!!」
大慌てでお店に入ると閉店間際だからなのかいつもカウンターにいる店員さんたちはいなくて、その代わり奥からあたしに気付いて高梨さんが出てきてくれた。
「お待ちしていました。」
いつもと変わらないきらきらスマイルを向けてくる彼にあたしは少し恥ずかしくなった。
だって急いできたからきっと髪も化粧も乱れてるんだもん。
せっかく今日はナチュラルな女の子を目指して服にも気を遣ってきたのになあ…。
「ではこちらの用紙にご記入よろしくお願い致します。」
まあ高梨さんは全く気にしてないみたいだけど…。
あたしなりに頑張ったのになあ…
ふわっ
チョコレートのいい香りがしたと思ったら、頭に、高梨さんの、手
「随分と急いで来たんですね」
優しく乱れていた髪を直してくれた。
ただこれだけのことだけど、少しだけ高梨さんを近くに感じた。
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