ショコラティエな彼

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2月10日 「ふふっ♪」 『今日は店来れますか?もし理恵(リエ)ちゃんの都合がよければ20時以降がありがたいです。来れるなら連絡下さい。』 な ん と !! 高梨さんと連絡先を交換したんです!! そして名前で呼んでくれているんです!! 完全に業務連絡的な感じだけど、この際そんなことは気にしません!! たくさんいるお客さんの中の1人だった頃から比べれば、かなりの昇格!! ここからさらなる進展を目指して頑張らなきゃ♪ -------------------- 「こんばんはー」 「いらっしゃい、理恵ちゃん」 行くとすぐに高梨さんが出てきてくれて、普通ならスタッフの人しか入れない裏の休憩室に入れてくれた。 「早速で申し訳ないんだけど、これ3月の下旬から出そうと思ってるやつなんです。1つ食べてみてくれるかな?」 お店で売られているものとは違い、まだ見た目を何もアレンジしていないチョコレート そんなのを食べさせてもらえるなんて、なんか嬉しいな♪ 「あっ!!桜のチョコですね♪」 「定番だけど、春って言ったらやっぱり桜だと思ったので…、どうですか?」 「すっごく美味しいです!!でも正直に言うなら、少し桜が強すぎるかなって…。あっ!!別に美味しくないわけじゃないんです!!ただあたし桜風味があんまり得意じゃないので…。得意じゃなければ食べなければいいって思うかもしれないんですけど、それでも季節限定ってわかってると食べたくなっちゃうんです。それに得意じゃないものって今度こそは自分好みの味かもしれないって少し期待して食べるんです。」 「なるほど…。具体的には桜のどんなところが苦手ですか?」 「うーん…、多分葉っぱみたいなところ…」 「桜=桜餅になってしまうんですね?」 「そうなのかもしれません」 「わかりました。少し考えてみます。」 あたしの意見が必ずしも正しいことだとは限らない。 むしろお店で働いている人たちの方が的を得たことを言うんだと思う。 それでもあたしの意見を真剣に聞いてくれたことが純粋に嬉しかった。
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