ハジマリ

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  「三重院君、今日ご飯食べにいかない?」 「あっ、美香ずるい! 三重院君、私とご飯いこ!」   「あのねえ、君ら……! 俺も誘えよ~」   高月がそうぼやいた後、俺の首に腕を回して目の前の女達に聞こえないように話し始める。   「お前、桜小路美咲と仲良かったっけ?」   「桜小路美咲……?」   誰だっけ? どこかで聞いた事がある名前だが、思い出せない。   「お前知らないのかよ。桜小路美咲。桜小路って名前はお前の家と同じくらい有名なはずなんだけどな」   「桜小路……ああ。桜小路、な。思い出した」   桜小路。 三重院と同じくらいかそれ以上の大富豪の家系の名前だ。 確か一度、桜小路の人間と小さい頃に会った気がする。女の子だったっけ。   それが多分高月が言っている桜小路美咲なのだろう。   まぁ、あんまりその時の事は憶えていないのだが。
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