ハジマリ

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  「お前知り合いなの?」   高月が目を細めて疑ってくる。   「いや、知らないな。そもそも知っていてもすぐに忘れているよ、俺」   「……そりゃそうだな。お前の本命が未だに誰だかわかんねえし」   「ねえねぇ、何の話してるの?」   目の前の女二人が訪ねてくる。   「教えたら、俺も飯誘ってくれる?」   「ねえねえ三重院君、何の話?」   「……無視ですか」   高月を無視して押しのける二人の女達。 えーと名前はなんだっけ?   美香ちゃんと確か……朝子ちゃん、だったか。   「ああ、えーと……桜小路美咲って人知ってる?」   「桜小路美咲? ……ああ、あの子の話してたんだ」 美香ちゃんが少し距離をおいた感じで話した気がした。  
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