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「ええー! 美香ずるいよー! 私だって、三重院君とご飯いきたいのにー!」
「一緒に行く? 俺は別にいいけど」
「えぇ~! 私三重院君と二人でいきたいな」
俺の提案を押しのけるように美香ちゃんが強引に俺の腕を引っ張る。
「それにほら……ね。今日、つけなくて大丈夫だし」
二人に聞こえないように美香ちゃんが耳元でぼそっと囁いてきた。
「……へぇ、そうなんだ。そうしよっかな」
感情がこもっていない返事で、でも作り笑顔を整えて答える。
「うわぁー、ずりぃーの!」
高月が羨む視線をこっちに向けてくる。
「まぁ、余った俺らで今日どっか一緒にこれから――」
「えぇ~! 美香ずるい! 私も行きたいよぉ~」
「……だから、俺の事無視っすか~」
高月の不遇ぶりに思わず苦笑いしながらも、大学を出るまでの時間そのまま四人でだべり続けていた。
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