ハジマリ

11/28
前へ
/38ページ
次へ
「三重院君は何も食べないの?」 「ん? ああ……、俺お腹減ってないから」 「ええ~、なんかそれだと悪い気がしてきたじゃん」 ぶぅーと口を尖らせる美香ちゃんに愛想笑いで済ませながら、俺は携帯を取り出した。 画面を見ると着信履歴が一件あった。 ……親父からだ。 「なになに? どうしたの?」 どうやら美香ちゃんが気になったらしく、携帯を覗き込んでくる。 「いや、別に……なんでもないよ」 「うわぁ~、怪しい!」 美香ちゃんはまた口を尖らせ、半目で拗ねた表情をして疑いかかる。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加