ハジマリ

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今日も講義が終わった後、いつもの様に料理サークルに顔を出した。 まぁ、料理サークルといってもただメンバー同士がだべるだけのサークルだが。   俺がこのサークルに入ったのは、ひとえに他人との交流が目的だった。 体育会系のサークルなんかは今までそういうのに縁がなかったために入るのを躊躇ったが、こういう文科系サークルはすんなり入ることができた。   料理サークルに入ったきっかけは本当にたまたまだった。 よく同じ講義を受けている高月が料理サークルに誘ってくれたのだ。   初めは本格的なサークルなのか疑ったが、たまに料理を作るくらいで後はただひたすらだべるだけ。 しかも、その話の内容が今週の合コンなど、その実かなりくだけていた。   「よう、三重院! 最近どんな感じなんだ?」   俺をこのサークルに誘った男、高月司朗がにやけた顔で話しかけてくる。  
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