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【シオン公国公爵邸中庭にて】
シオン公国の中庭は、中央に噴水があり、周りには、木々が植えられている。
全面に芝生が張られ、普段は家臣などが行き来しているが、今は二人の男女の剣を交える音が鳴り響いている。
エリク「ウォォォ」
キンッ
ガブリル「甘い!」
ドサッ
エリク「ううう」
ガブリル「まだまだですわね。エリク、もう御仕舞ですか。」
エリクは立ち上がったものの、手を膝につき、顔を上げることはできない。
エリク「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
対象的にガブリルは息ひとつ乱さず、涼しい顔をしている。
エリク「まだ・・まだだ・・・、もう少し」
再び、剣を打ち合うが、エリクの剣は全くガブリルには届かず、空を切るばかり。
キンッ ドサッ
ガブリル「今日の鍛錬はここまでにしておきましょう。エリク、お疲れ様。」
エリク「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・、ありがとうございました。」
剣の鍛錬を終えたエリクのもとに、タオルを持った一人の少女が駆け寄る。
フェイト「エリク様、お疲れ様でした。今日もガブリル様に歯が立ちませんでしたね^^」
エリクは、フェイトからタオルを受け取りながら言う。
エリク「ありがとう、全くだな。俺もまだまだだ。」
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