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魔術師「ここまで、私は多大なる犠牲を払ってきた。もう後には引けないのですよ。時は来た。」
そう言っている間にも、魔術師はどんどん元王女に近づいて行く。
竜騎士「お・俺は、そんなの望んじゃいない!人を犠牲にしてまで・・・。」
ジャラッ
うつ伏せで倒れながらも必死に右手を伸ばした拍子に、竜騎士の懐にあった青色の宝石の付いたペンダントが地面に落ちる。
ピカッ
同時に、元王女の両脇に台座においてある玉と鏡が輝きだす。
魔術師「な・なにごとです。」
魔術師にとって予想外の出来事なのか、魔術師の顔から微笑みが消える。
竜騎士「このペンダント・・・。」
最後の力を振り絞って、竜騎士はペンダントを元王女の元へ投げる。
元王女「・・・。うっ、ううううん。」
ペンダントは、元王女の足元に転がる。
魔術師「い・意識が。なんだ、何が起こっているんだ!もう少し、もう少しなんだ。」
ゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴゴ
奥にある大穴の封印は、今にも破られそうだ。
決して光の届くことのない大穴の奥には、多数の悪魔が蠢いて、封印が解けれるのを待っている。
竜騎士「リ・リリス・・・。目を覚ましてくれ。」
元王女「エ・エリク・・・。はぅ!」
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