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【シオン公国謁見の間にて】
広いシオン公国謁見の間は、静まり返っていた。
なぜなら、内乱中のロドス王国からの使者ということで、ラグル公爵は、大臣などを遠ざけ、衛兵2名のみ残したからだ。
ラグル公爵は、突然訪問した使者に対し、困惑した表情を浮かべながら返答した。
ラグル「その申し出については、公国の将来を左右するため、私の一存では決められない。しばらく時間を貰いたい。」
リード「わかりました。1週間ほど待つことにいたしましょう。わが王はよき返事を期待している。」
一方ラグル公爵と対している使者、ロドス王国軍師リードは微笑みながら返答し、退出した。
ラグル(困ったものだ。我が国は、ティベリア連邦の覇権争いに興味はない。この縁談の返答次第では、3大国のうち2大国ロド
ス王国かヴァルフォア王国を敵に回してしまうかもしれないな。)
ラグル公爵は、平和を愛し、温厚な性格で知られ、内乱においても、自国の民を守るため、中立の立場を貫いていた。
ラグル(何とかならないものか・・・民を戦に巻き込みたくないものだな。)
ラグル「ミカルとラファルを会議室に呼べ。」
この時のラグル及びその側近の決断が、エリクしいてはシオン公国の将来を大きく変貌させてしまうことになる。
※ラグル公爵(エリクの父)
シオン公国の領主。 43歳
ロドス3世の妹を妻としたが、既に妻はなくなっている。
風竜ホワイトウィンドと契約を交わしたドラゴンライダー。
民を巻き込む戦争を嫌い、内乱においては中立を守っている。
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