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突然少年はアレクの手を取って駆け出しました。思ったより力があり、アレクはグイグイと引きずられていきます。
「こ、困ります!俺そんなに金もってないし!」
「金なんかいいって!!」
その言葉にアレクは一気に慌てました、自分より年下であろう少年に奢ってもらうわけにはいきません。
「だ、だめです!けじめがつきません!!」
「けじめ?」
「だって俺のが年上ですし!!」
「?」
不思議そうに首を傾げるだけで、手の力も速度も緩みません。
ほとほと困ったところで、アレクは気づきました。
(なんか、どんどん町はずれに行ってる)
家が減っていく代わりに木々が増えています。
そして川を渡り、草原を超え、アレクの住む森とは別の、南にある森の入口に行きつきました。
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