町へ

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ブーンという不吉な羽音、黒と黄色の警戒色、鋭い顎に強力な毒針を持った悪魔蜂の、巨大な巣があったのでした。 猫ほどの大きさの体躯を持つ悪魔蜂は攻撃性の高い魔物で、刺されると一発で天に召される恐ろしい存在です。少年がアレクに隠れろと指示したのも無理ないどころか、当然の行為です。 「あれはまずい・・・引き返しましょう」 「なんで?」 「なんでって、だってあんな魔物が」 「そりゃそうだよ。森だから魔物くらいいるよ」 少年はそう返しつつ、剣の柄に手をかけました。 「にいちゃんはここで待ってろ」 「え、ちょっと」
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