魔王と勇者が仲良くなったら

町へ

「ファーイアー！！」

襲い掛かってきた数多の悪魔蜂を、彼は炎で殲滅します。

灰塵と化す悪魔蜂。

生き残ったものがその毒針で少年を突き殺さんと飛び交い、少年は負けじと炎を出します。

木漏れ日の美しい午後の森にあるまじき光景に、アレクは軽い眩暈を覚えました。

いくら常識に疎いアレクでも、目の前の少年の行動が常軌を逸したものであることは分かります。

なんなんだ、この少年は。

小さな体で獣のようにパワフルに動く少年を見ながら、アレクはそれだけの感想しか抱けませんでした。