災難からの始まり

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いつもは戦士たちを気遣う、穏やかで優しい彼ですがこればかりは許せませんでした。 古城の後ろには、清く澄んだ湖があります。彼は魔法でその湖の水を操り、竜へと姿を変えさせました。そして瞬く間に辺りを鎮火した後、戦士たちを竜に咥えさせ町の方へと飛ばしてしまったのでした。 その姿が見えなくなり暫く経った頃、ようやく彼は辺りを茫然と見渡します。 炭と成り果てた大切な庭と、生活の糧。 食糧庫にあった備蓄を思い出します。残りは僅かで、もってひと月といったところでしょう。庭も、このまま焼野原にしておくわけにはいきません。
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