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いよいよだ。
いよいよ長野での結婚式の日がやってきた。
前日の金曜日から長野に入ったんだけど、挙式前日は親子水入らずの方がいいかなと、俺はホテルを取ろうかと思った。
でもくるみにもお義母さんにも『そんな今更』って笑われて高見沢家にお世話になることになった。
名古屋の叔母さんも前乗りだったからまたくるみの部屋に布団を敷いて寝た。
『早く寝なさい』なんて言われて横になっても二人ともまだ眠くなくて、手を伸ばしてくるみの手をマッサージしてあげてた。
「やっぱりそっち行く。」
くるみがするりと布団に滑り込んできた。
「なんか緊張してきた。」
「なんで。」
「なんか、色々。」
「大丈夫だよ。心配すんなって。明日は身内ばっかじゃん。」
くるみのほっぺをぐにぐに押した。
「痛いよー。」
「小顔マッサージだよ。」
「えー!?ホントに?ウソでしょ?」
ほら、緊張なんてしないで笑ってればいいんだよ。
「明日も笑ってろよ。」
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