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でも実際、挙式直前にくるみの着替えを待ってたら俺も緊張してきた。
何に緊張してんだろ。
雰囲気に、かな。
冷たい水を飲んで精神統一だ!!
「なに寝てんのよ。」
目をつぶってたらお袋に鼻を摘ままれた。
「うおぉっ。いつ来たんだよ。」
「今よ。来たらあんた寝てるんだもん。やっぱあんた強者よね。くるみさんは?もうドレス着たのかしら。楽しみねぇ。」
「ん?あぁ。」
違うドレスだったけど、俺はこないだ見ちゃったから、そんな楽しみとは感じなかった。
「後で写真撮ってね。」
「俺と?」
「馬鹿言ってんじゃないわよ。」
「だよな。」
お袋と話してるうちに緊張も解けてた。
くるみの支度も終わったらしく、お世話係の人に連れられてくるみを迎えに行った。
控え室で座ってるくるみは…なんて言葉で表現すればいいか思い付かないんだけど、気軽に声を掛けちゃいけないような高貴なお姫様みたいだった。
くるみの方から小さく手を振ってくれて、俺も小さく手を上げて返した。
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