隣は猫さん

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でもあたしは流されてしまう方だから、今屋上で英二とお弁当を食べている。 「日向ちゃんは自分でお弁当作ってるのー?」 「卵焼きいいなあ…」 「ねえねえ!テニスどれくらいやってたのー?」 うるさい… 「うるさいなあ!静かに食べさせてよ!だいたい英二みたいにうるさい人は嫌いなのよ!大嫌い!」 あ、 ちょっと言い過ぎちゃった、かも 「うわっ、聞いた?今の!せっかく英二くんが誘ってあげてるのに!最低!ちょっと可愛いからって!うっざー!」 ほら、ほらほらほら どうしてあたしが最低なのよ。 英二に付き合ってあげてるだけでしょ。 勢いよく風が吹いて、喉がつまるように痛い。 「あっ!」 お弁当を包んでいたハンカチが風で飛ぶ。 「やだっ、ちょっと待っ……!」 ここは、屋上の更に上の換気室の屋根。 落ちたら骨折は確実だった。 だけど、あたしは運動神経が悪くて ハンカチを追いかけて足を滑らす。
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