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 軽自動車の中、ジョンは時間を確認した。9時まであと10秒。精神は安定していた。    懐からグロック18を取り出しスライドを引く。甲高い金属音。  この拳銃はマシンガンのように連射が出来る。中の警備員は慌てて駆け寄ってくるに違いない。    車の窓が静かにモーター音を奏でながら、ゆっくりと開く。    そしてジョンはグロックの銃口を裏口に向け、ゆっくりと引き金を引く。    引き金を介して撃針がバネの力に逆らい後退する感触が人差し指に伝わる。    そして急に引き金が軽くなる。    シアが外れ撃針がバネの力で思いっ切り前進する。乾いた金属音。弾は出ない。    不発か。    銃を見てみる。     「ああああああああぁぁ!    弾が無い!」    ジョンは慌てて鞄を開ける。中には弾倉。そして9㍉パラベラム弾。    弾倉に弾を入れようと弾を鷲掴みにする。    9㍉パラベラム弾はきらきらと光を反射しながら足元に散らばる。    計画。9時ちょうどに銃声で裏口に警備員を集める。    実際。9時2分。弾倉に一発目の銃弾を装填する。    焦りで脳味噌が溶けてしまいそうだった。
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