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この邸宅の警備員が倒され女が誘拐されるところだ。
このまま犯人達を逃がす訳にはいかない。
俺は相棒の観測手と共にスナイパーライフルPSG-1を手にし二階の女の部屋に入った。
皮肉にもここが犯人達を狙撃するのに都合が良い。
準備に取り掛かる。
向こうからの銃弾が壁を跳ねて自分に当たらないように壁一面に土嚢を積み上げ更に自分達の体を隠す分も積み上げる。窓の前に机とイスを置き位置を調整する。窓から銃口が出ないように、そして射界を確保できる位置に。
手榴弾が入って来ないように窓に金網を設置する。
風の強さと方向を調べ、女のクローゼットを開け中のにおいを嗅ぎ犯人達までの距離を測る。高低差も距離に影響し結果、着弾にも影響する。
準備が終わり観測手に指示を仰ぐ。
「まずは威嚇射撃だ。生きて捕まえたい」
地面に向けて発砲。銃声はサイレンサーにかき消され土煙があがる。
犯人達は狼狽する。中にはあさっての方向に発砲する者も居る。
そして女の悲鳴。どうやら女は犯人の一人に首根っこを掴まれているようだった。
その首根っこを掴んでいる犯人には見覚えがあった。連続誘拐犯マイケルだ。
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