日常

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青慈さんにプロポーズされてから数日経った。 未だ答えを出せないまま、私は就活に苦戦していた。 青慈さんから連絡があったのは、希望していた会社の面接が空振りに終わった夜のことだ。 前に会ってから、いくらも経ってないのに、ひどく疲れた顔をして青慈さんは待ち合わせ場所に立っていた。 「大丈夫?」と声をかけたけど、「何が?」と冷たい眼差しと共に乾いた声で突き放されたから、 それ以上の追求をやめた。 それから、いつものレストランに青慈さんの車で行き、中庭が見える窓際の席に通された。 終始思いつめた顔をした青慈さんは、ご飯を食べ終わると、重かったその口を開いた。 「なぁ、深紅。」 やっと私を呼ぶ声を聞いた私は、口元に持ってきていたグラスを置くと、青慈さんに向き合った。 暫く私の顔を見ていた青慈さんは、少し申し訳なさそうな顔をした。 それから言い放ったのだ。 「もう就活はやめにしないか?」 突然の青慈さんの言葉に、私は固まった。 「え?」 耳を疑った私は、問うように眉根を寄せて窺い視る。 冗談だよね? しかし、青慈さんの表情は、冗談なんか言ってなかった。 「なん・・で?」 「俺さ、転勤が決まった・・・」 .
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