プロローグ

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全世界の時間軸を統括して、まずは貴方達に「おはこんばんちわ」を申し上げます。 お久しぶりです、貴方達とは母体に生まれ付いた時に進路相談した、それ以来になりますね? えっ、覚えがない?いえいえ、確かに新たな生命の誕生の瞬間に立ち合っていますよ。 貴方は雄個体のアレ、雌個体のソレ、が結び付いたしたところにすかさず神様特製の「素敵スパイス」をパッパッと振り掛けて、じょうずに出来上がったんですから。 あのスパイスには夢と希望をたっぷり配合して、甘ずっぱい風味に出来上がるはずなんですけど…うーん? あ、いえ、創造した時の不手際は一切ありませんよ。 貴方達に選択の自由は与えてありますから、クレームや訴訟は一切御無用、あくまで自己責任で…と、わざわざ言うまでもありませんでしたよね。 でもこのご時世、貴方達とわざわざ対話する機会を与えると、そう前置きしておかないと色々とあるものですから。 あっ、申し遅れました、私は世界の創造神です。とりあえず大雑端に「神様」なんて呼んで貰えたら嬉しいものです。 様付けする必要性? いえ、ありませんね。私の希望です! せっかく貴方達を創造して差し上げたんですから、少しは有り難がって貰っても決して損にはなりませんよ? ふふん。 二度とそのツラを拝む事もないだろうと思ってた、その神様の方から一体何の用だ…と? いやー、結構な態度ですね。 いえ、別に構いませんよ、貴方達に不都合が起こるたびに「OH MI GOD!」と叫ばれてやり玉に挙げられる私ですが、もし私がそういう欠陥品を創造してしまっていたなら…という責任を感じる事もありまして。 ですから、その叫びで貴方達の気持ちが紛れるなら、甘んじて汚名を受け入れます。 でも貴方達のものになったつもりはないのでソコんとこの認識は改めておいて下さい。 はいっ、私が一回両手を叩くと、貴方達の心から神様を恨む邪な気持ちはキレイさっぱり消えました! これでちゃんと話を聞く態度になりましたよね。おふざけは、めっ! ですよ? え? 何か怪しくね、って? とんでもないです、神様なんですからこのくらいの精神操作は…あ、いや。ともかく神様ですから許して貰います。 恨む気持ちを忘れられないって方は、本当に救いようがないので一から人生やり直す権利を与えます! これでお互いに気持ちの整理も付いたと思うので、そろそろ本題に入りましょう。
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