プロローグ

3/3
前へ
/16ページ
次へ
では、左手をご覧下さい。 あちらに見えますのが、銀河の狭間で宇宙のチリとカスが混ざって生まれた、新天地です。 今回はこの「閉ざされた箱庭」の構築配分にちょちょいと手を加えまして、ミジンコちゃんが自己崩壊してしまわないようにテラフォーミングを施したいと思います! と、そこから始めると貴方達の人生を26,000,000回はやり直せるくらいの時間を費やしてしまいますからね、事前に用意しておいたものがこちらです! 今の概算は割とテキトーだったりしますけどね。 さて、これでこの箱庭には、知識も思慮のかけらもない、野生本能が支配する繁殖サイクルが出来上がりました。 ここまで来るともう放置しても勝手に哺乳類や昆虫が沸いてくるはずですから、そろそろ私は創造主の座を放任したいと思っているんですけど、構いませんよね。 えっ、どうしてそこでまた意外そうな表情を浮かべるんですか? 一定水準のサイクルに到達した後には、創造した生物の「守護神」になる義理なんてありませんから。 たまに守護神を続けている物好きな神がいたりとか、勝手に祭り上げられてしまっているケースも、あるにはありますね。 でも、少なくとも現代の貴方達には、とっくに守護してくれるような神は居ませんからね? 私は他にも発展途上の箱庭を抱えていまして、その面倒を見るので忙しいですからね。 それで、私の後任として、新たに創造神になって箱庭内の創造に携わって貰える方を3名ほど公募する事にしました。 テスターは貴方達と同じ時間軸の、西暦21年初期の青年から選ばれたんですよ? もし同じ時間軸で応募していながらも、選ばれなかったという方は残念でしたね。 …こうして残って話を聞いている方は、少しなりとも興味があったという事でしょうか? いやー、本当に残念でしたね、ふふ。 さて、私が貴方達にお願い申し上げるのは、この3人の見習い創造神達が箱庭で送る生活、探索、そして創造…。 今後の動向を、貴方達に観察して貰いたいという事です。 そう、3世紀ほど前からぱったりと文明の発展が途絶え、今や進化の袋小路に追い込まれている、21世紀の貴方達にね。 彼らが創造していく箱庭が、果たして人類を次のステージに導く為のキッカケを作り出すのでしょうか。 いえいえ、別にハードル上げてる訳じゃありませんってば。 そんな訳で宜しくお願いしますね、皆様。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加