序・彼女の独り言

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運命なんてものは信じないし、神様なんて曖昧なものも信じない。 信じないというか、存在があやふやすぎるものを、どうして信じることが出来るのかを逆に問いたい。 誰が一番最初にそんな訳の分からないものを広めようとして信じ始めたのか、なんて興味もないし、知ったところで学校の定期テストや入試に関係すらしないのだけれど。 この世で信じられるものは、確かに存在しているものだけ。 特に紙の上に並ぶ文字や数字なんてものは決して裏切らない。 逆に、運命や神様なんて曖昧な存在よりも信じられない存在もまた、確かに存在しているもので、どうしようもなく信じられない。 <自分自身>という存在は、仕方のない程に存在し、厄介な程にあやふやで曖昧な存在なのである。 .
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