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彼女の手を握ったままだった。
高「…なんで?」
猛「え?」
高「なんで怪我してないのに病院行くなんて言ったの?」
そうきかれたから
猛「いや、あそこで泣かれたらさ俺が泣かしたみたいじゃん?…まぁ実際泣かしたんだけどね。先輩達から色々言われるでしょ?本気でやるなよとか、手を抜いてやれとかさ…俺も高城さんと一緒で負けず嫌いだから本気でやったからさ」
高「え?本気でやってくれたの?」
猛「当たり前じゃん!高城さん強過ぎだからびっくりしたよ(汗)本気でやらなきゃ負けてたし」
高「なんだそうだったんだ…手を抜いて負けたんだと思ったから悔しくて亜樹泣いちゃった」
猛「は?高城さんが言ったじゃん「女だからって手を抜かないで本気でやってね」ってさ」
高「え?亜樹そんな事言ってないよ?」
猛「いや、言ってたじゃんか(汗)」
高「う~ん…亜樹覚えてないや」
猛「は、ははそ、そっか(マジで天然なんだ)」
猛「あの時に始めて天然だって思ったんだよな…」
そう呟いてコーヒーを一口飲んだ
カフェの前を行き交うあの人々が今は遠くに感じられて
「明日は久々の休みだ」
「今日飲みにでも行きますか」
そんなざわめきさえ薄れてはため息に消えてしまう。
猛「亜樹がいないだけなのにな」
いつも俺が座る席の前には亜樹がいたけれどその席は今は空席だ
その空席に見つめられている俺の退屈な休日には終わる事無くあなたが、亜樹との思い出が流れ続けている
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