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右を見たら闇。左を見ても闇。背後も闇で
足元には生きる屍が一人。
前方の、ずっと向こうには眼球って白い光の差す窓が見えるけど
だからって自分の好きな景色を映せる訳じゃない。
この娘がいつも見てるのは、地面と好きな男だけ……。
もう……飽きた。
飽き飽きすんのよ、いい加減!
あたしがもしアンタだったら、俯かずに胸を張って歩くわ。
そんなダサい服も脱ぎ捨てて、美しいあたしに似合う服を着る。
すぐに怯えたりしないし、言いたい事もちゃんと言う。
ねぇ、アンタ
『そんな生き方して楽しい?』
楽しくないなら
その身体
あたしにちょうだい?
あたしはあたし
あたしの人格で好きな場所に行きたいの。
あたしはアンタの一部だけど、アンタとは別の人間
【萌子】じゃなく
【瑠璃香】なんだから……。
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