変態は春風に誘われ

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「全くこのダメ兄貴は……」 放課後。妹である一ノ瀬澪から呼び出しを受けた俺は、理科室や音楽室など、実験や実習に使う教室が入っている特別教室棟の屋上に来ていた。 妹の方が先に来ていたので、「澪たんぺろぺろぺろぺろ」と叫びながら抱き着こうとしたらハイキックで顎を的確に打ち抜かれました。 そのまま倒れた俺をほっときながら、妹は話に入った。 「いっつも言ってるでしょ?学校でああいう風にアタシ関連の話は絶対するなって。何回破ったら気が済むのこの蛆虫。何で破るわけ?」 冷徹な目で俺を激しく非難する。ああ、でもホントいつ見ても可愛いなあ妹は。綺麗な金色のさらさらショートヘア、透き通るような琥珀色の瞳、そして、ちょっと幼い体系。ああもうたまらん。 「『なんで』?フン、愚問だな、妹よ」 俺はゆっくりと立ち上がる。さっきの顎ハイキックで軽く脳震盪を起こして体がプルプルするけど頑張って起き上がった。 そして、近くにあった手すりに寄り掛かると、妹の目をまっすぐ見つめる。 「ああいうことをしてお前に怒られ、蔑まれることが快感だから……他に理由などない。問題あるか?」 「大ありやこのハゲ!!」 妹に、どこから出したのか、巨大なハリセンで思いっきり頭を叩かれた。
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