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だが何も聞こえなかった。
しかし、どうしても誰かに見られている様な気がして仕方なかった。
まさかと思い、空を見上げた。
そこには雲で隠れた月や星、いわゆる黒しかなかった。
すると目の前に灯りが見えた。
もうすぐ山の出口である。
男は灯を道に置き、また足早に歩いた。
さぁ姿を見せよと勢いよく振り返った。
ただ提灯があるだけであった。
背後に何も居ない事で男は出口に向かって駆け出した。
そして民家に向かい大声で山中にて死人がいるかも知れない、早急に捜してくれと叫んだ。
飛び出してきた大工らしき男は男の姿を見るや大丈夫かと大きな声で言った。
また、違う家から出てきた女は悲鳴を挙げた。
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