始まりの日

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パニックに陥り逃げ惑う人々。 しかし、そいつは人々に手の平を向け続け、手の平を向けられた人間は次々と倒れていく。 立ち向かう人間もいた…だが、そんな勇敢な人達もまた次々と倒れていった。 ―――ある1人を除いては。 1人の泣きじゃくる女性。 「た…助けて!」 地面に尻餅をついてしまったその女性は、徐々に迫るそいつから逃げようと助けを求めながら後退りをしていた。 ―――1人の青年、澤井一真(サワイカズマ)がその現場を目撃、すぐに未知の何かに飛びかかった。 「くそがぁぁあ!」 一真もまた他と変わらない街にいた一般の人間だが、皆が見捨て我先にと逃げる中その女の子をどうしてもほっておけなかった。 そして、武器も持たず、突然現れた未知の何かに突っ込んだ。 体当たりの衝撃で未知の何かと青年は地面へと倒れ、そのまま女性に向かい叫んだ。 「逃げろ!!早く!!」 女性はその声に反応し、すぐに立ち上がり全速力で走っていった。 その直後、未知の何かは体制を立て直し一真へと手の平を向けた。 一真の頭に死の文字が過る―――手の平を向けられて数秒、一真は生きていた。 何故?自分でもわからなかった。 未知の何かも何度も手の平をこちらへ向けてくる。 だがしかし、一真の身には何も起こらない。 「マ…サカ…」 そいつが何かを喋った。 何かに驚いている?…いや…何がなんだかわからないが生きていることは確か。 「おらっ!!」 一真はそいつの足へ蹴りを一発いれる その蹴りに効果があったかはわからないが奴は動かない、一真はその隙に全速力で走り出した。
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