第三話 欠番の存在

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「では、俺の番だ。」 グレイ1はデッキからカードを引く。そして、マナに手札を置かず、そのまま2マナをタップし、クリーチャーを召喚した。 「さあ、お待ちかねだ。奴のマナを荒らせ!『爆走戦鬼レッド・ライダース』!」 前のターンでグレイ1がディオライオスの効果で自ら破壊したバイク乗りのクリーチャーが、バトルゾーンに現れた。 レッド・ライダースはトシヒロに向けてバイクのエンジンを噴かし、全速力で走り出す。 途中でハンドルを握る左手を放し、腰についた緑色の丸い物体に手を伸ばす。 手榴弾。遠目に見ても、それは分かった。レッド・ライダースはそのまま走りながら映画のようにして口で手榴弾の安全ピンをくわえ、引き抜く。 トシヒロのデュエル卓の直前でレッド・ライダースはバイクの方向を換えると同時に、手榴弾を投擲する。 狙いは、トシヒロのマナゾーンの『メンデルスゾーン』。 その狙い通り、手榴弾は爆発し『メンデルスゾーン』は墓地に置かれた。 レッド・ライダースは墓地に同名カードがある時にバトルゾーンに出すと、相手のマナゾーンのカードを破壊出来るカードだ。 先ほどのスーサイド戦法で破壊したレッド・ライダースを最大限に利用したのだ。
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