第三話 欠番の存在

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グレイ1が言うと、彼のマナのカード2枚が爆発し、墓地に置かれた。 強い力には、必ずしも欠点がある。『ブランクカード』も強すぎるゆえに何かデメリットがあるのだろうか。 「貴様の冥土の土産に教えてやる。」 グレイ1は、トシヒロに話しかけた。 この余裕は、絶対にトシヒロに勝てると思っているのだろう。先程、自分で『爆熱兵ドラグ・クリムゾン』の効果は教えないと言ったはずだ。 つまり、この効果はグレイ1にとって有利なものなのだろう。 「ドラグ・クリムゾンがバトルゾーンにいるときにクリーチャーが破壊された時、破壊されたクリーチャー1枚につき、俺と貴様のマナゾーンのカードを1枚選び、墓地に置く!!」 「なっ……何だって!!?」 先程、ドラグ・クリムゾンの効果で破壊されたクリーチャーは、トシヒロの柳生・ドラゴンとグレイ1のディオライオスの2体だ。だからグレイ1は、自らのマナを墓地に置いたのだ。 幸い、彼が自らのマナを減らしたお陰で『銃神兵ディオライオス』は召喚出来なくなった。まだ、トシヒロのボルシャック・スーパーヒーローは健在だ。 だが、またマナが破壊される。しかも今度は、クリーチャーを破壊されるついでに、だ。 『銃神兵ディオライオス』が出されれば、破壊されたクリーチャーと『銃神兵ディオライオス』の分、計2枚のマナが無くなっていく計算になる。 それを防げただけでも良かったと思うしかない。しかし、それでも2枚のマナは減ってしまうのだ。 「さあ!!貴様のマナを消し去り、俺は更に撃墜数(キルスコア)を増やす!!そして、我が願いを叶える!!」 トシヒロには、もう何も聞こえなかった。
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