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混沌の龍が、吼える。
大地が裂け、そこからマグマが思いっきり吹き出す。
グレイ1の周りの空気が凍りついた。
手足が凍てつき、ガクガクに震える。
何が起こってるのか。分からない。
いや、理解出来ないのか。
『それ』の雄叫びは、自分に深い深い恐怖を与える。闇より深い恐怖を。
その恐怖が、脳髄まで染み込み人の思考を鈍らせ、周りの空気までも変わったように錯覚させる。
そう思うことが出来たのは、『それ』が雄叫びをあげて5分後だった。
「プレイヤーグレイ1、アクティブ・プレイヤーは貴方です。ターンを……」
電子音声が聞こえる。しかし、うまく思考出来ない。理解出来ない。
そういえば手札のカードはもう使えなかったな、なら……
「ターン、エンドだ……」
グレイ1はか細い声で宣言した。
ターンはそのままトシヒロに移る。
「グレイ1、お前を…… 」
トシヒロがカードを引く。
しかし、もうこれに意味はない。
カードを持った右手をグレイ1に向け、そのままトシヒロは言葉を紡ぐ。
「討ち貫くッ!!」
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