第三話 欠番の存在

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「はっ、心得ております。」 「そう。では処分を言い渡します。」 一度、クイーンマムは目を閉じる。 その瞬間がやけに長く感じ、誰かが息をのむ音が聞こえる。 先程、クイーンマムは『降格』処分をするといった。しかし、この様子をみる限りではもっと軽くなるかも知れない。 クイーンマムは、グレイ1のことになると甘くなる。それだけが、男と女……『プロミネンス1』と『ジャスミン1』が理解出来ない点だ。 「貴方は、死ぬまで『アーミー』で働きなさい。」 「ッ!!それは……」 どういうことですか?とグレイ1が言う前にクイーンマムが言葉を重ねる。 「勘違いしてはいけません。貴方は「少尉」に格下げです。分かりましたね?」 「……はっ!!このグレイ1、『アーミー』に命を捧げます!!」 グレイ1の返事は一瞬間を置いて返ってきた。その声に、安堵のようなものが混じっている。 「俺は認めない!!次に貴様が失敗した時は、覚えておけ。俺が貴様を殺す!!」 「やめなさい、プロミネンス1!!」 プロミネンス1が抑えきれずに自分の感情を吐き出した。貴様はここで消えるべきだ、と。 それを制する……いや、制するというよりは、逆ギレに近い感じで声を荒げる。 その少女と思えぬ迫力に、プロミネンス1は怯む。
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