第三話 欠番の存在

19/41
前へ
/213ページ
次へ
トシヒロからグレイ1のターンになる。グレイ1はデッキからカードを引き、手札からマナゾーンに置かずにマナゾーンのカードをすべてタップする。 「2マナ払い、『爆走戦鬼レッド・ライダース』召喚!続けて『銃神兵ディオライオス』を召喚!」 グレイ1のバトルゾーンに、バイクにまたがった人型のクリーチャーと、戦車のような外見で左右に4門、計8門の砲塔のついたクリーチャーが現れる。 『銃神兵ディオライオス』は敵味方のバトルゾーンに、合計8門装備された砲門から弾丸を撃ち出した。 だが、弾丸と言うには大きすぎて、大砲のような砲弾と言った方がしっくりくるだろう。 「ディオライオス!レッド・ライダースを巻き込め!」 一緒に召喚したレッド・ライダースに容赦なく砲弾の雨を浴びせ、跡形もなく消し去った。 その後、柳生・ドラゴンの方にディオライオスは向き直り、再び砲弾を発射する。 柳生・ドラゴンは、その手に持った刀で砲弾を切り裂き、いなしていった。やがて刀が砕け、それを鞘に戻し、丸腰の状態で砲弾の雨を紙一重でかわしていく。 だが、無情に降り注ぐ鉄の雨をすべて避ける事は出来ず、その一発が柳生・ドラゴンの右足に当たった。 バランスを崩し頭から地面に倒れる柳生・ドラゴンに、ディオライオスは容赦なく一斉掃射の追い討ちをかける。 砲弾が爆発する衝撃で砂埃が舞い、龍の断末魔があたり一面に響く。 砂埃は前が見えないほどに舞っていて、それが晴れる頃には先ほどまで柳生・ドラゴンがいた場所には欠片一つ無くなっていた。
/213ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加