第三話 欠番の存在

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「くっ……またライオスか!」 トシヒロは苦虫を噛み潰したような顔をした。 『銃神兵ディオライオス』は先ほどグレイ1が使った『空神兵ウィングライオス』の元祖とも言えるべきクリーチャーで、ウィングライオスと同様に自分と相手のクリーチャーを1体ずつ破壊するカードだ。 グレイ1というデュエマプレイヤーはマナ破壊(ランデス)と自己犠牲(スーサイド)の使い手なのだ。 どちらの戦法もデュエマプレイヤーの中ではとても嫌がられる戦法であり、前者は言わずもがなだが、後者はアドバンテージを得るため自分の犠牲を省みずに行動してくる、いわば捨て身の戦法だ。なりふり構わない相手は、非常に戦いにくい。 「使えるものはなんでも使う!そう!勝つためなら、自らの命でさえ武器にしてやる!」 ハハハハ、とグレイ1は狂ったように笑う。 ここまでして、戦う覚悟があるのか。ブランクカードのために、ここまで出来るのか。もしかしたら、ブランクカードには、本当に『願い』を叶える力があるのか? そう考えたトシヒロだが、今はそれどころではない。 目の前の敵を、倒すことだけを考えなければならない。 このグレイ1のスーサイド戦法で、トシヒロの柳生・ドラゴンは破壊されてしまった。しかも、グレイ1はパワー4000のディオライオスをバトルゾーンに出している。
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