7人が本棚に入れています
本棚に追加
「そりゃ、どーもっ」
フッと鼻で笑いながら
短くなった煙草に気付き
捨てる為に煙草をつまみ
はじこうとした時だった。
ガヤガヤとした駅の前だと言うのに
かすかにだが単車の低い音が
耳に入って来た。
それはあたしだけではなく
目の前の男もどーやら一緒らしい。
音が近付くにつれて
男の口角も上がっていった。
そして‥
『やっときたか!
おせぇから俺がやろうかと思ってたぜ』
爆音を響かせていた二台の単車へと
つい、さっきまであたしの
真ん前にいた男は近付いて行った。
単車から一番最初に降りて来たのは
今時代、有り得ないパンチパーマで
ペンキの付いた作業着を着た男だった。
そんな時、あたしは
直感でコイツだと思った。
案の定、その男は
あたしの真ん前にたつと
低い声であたしに一言。
『お前がS?
案外‥ちぃせぇのな?』
最初のコメントを投稿しよう!