雲海の果て

任官－陽州入り

劉宝（りゅうほう）らしいと納得するが、面倒なものを押しつけられたな、と斉海は顔をしかめる。
当然見張りという意味も含まれているので断ることも出来ない、それにこの場は既に囲まれてるから逃げ場もない。
斉海は頭を振って目の前の女性を集中する。

「どうかされましたか？」

李雲然……四代目は首を傾げている。
四代目からすれば、ただ監査を命じられた斉海に協力せよと宰相に言われただけで顔合わせにこうして場を設けたに過ぎなかった。
が、当然そんなこと知らない斉海はどうしたのか？という問いかけに戸惑いを見せていた。

「いえ、なんでも。手紙にはそなたらが情報収集に協力してくださると記されていたが、どのように？」

商人の情報網は広いと理解していたが、一応と考え斉海は話を進めた。