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「そんなに緊張して、何か期待してる?」
森本の耳元に口を寄せて、息を吹きかけるように話すと、彼女は俺の腕の中でジタバタする。
「ちっ、ちがっ!」
逃げ出そうとする森本の両腕を掴んで対面させると、華奢な身体をガラスの壁に押し付けた。
「じゃあ、どうしてそんなに緊張してんの?」
意地悪く森本を見下ろすと、彼女は真っ赤になった顔を隠すように背けた。
獲物を追い詰めるかのごとく、背けられた頬をなぞるように、指先で目元から顎まで撫で下ろす。
森本は目をギュッと閉じ、皮膚を走る刺激に耐えていた。
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