第4章

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センターの受付で鍵を借りるつもりが、誰かが既に鍵を持ち出した後だった。 手ぶらで部屋まで行くと、扉には鍵が掛かったままだ。 ふと、部屋の前に設置された下駄箱を見ると、鍵が無造作に置いてある。 「誰だよ、無用心だな。」 そう呟いて、置いてあった鍵で扉を開ける。 次の瞬間、俺の目に飛び込んできたのは―――。 上半身、下着姿の女の背中だった。 扉の開く音に反応して、女が振り向く。 お互い、状況を把握出来ず、不自然な時間が流れる。 「っ!」 先に動いたのは俺の方だった。 慌てて身を引き、扉を閉める。 「……ひゃあぁぁぁっ!」 その直後、森本の金切り声が廊下にまで響いた―――。 .
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