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突然扉が開き、俺の淡い願いを打ち破る。
「おはよう。……何だか、盛り上がってたな。外まで笑い声が聞こえてたぞ。」
声の主を見て、森本の顔がパァッと上気するのが分かった。
反射的に森本から目を逸らし、小山を見た。
「大した話じゃないよ。なぁ?森本さん。」
そう言って、森本に意味深な笑顔を向ける。
森本の性格からして、先程の失態について小山に話したりはしないだろう。
これは、ささやかな二人だけの秘密、だ。
森本も焦りを隠すように、そうそう、と俺に合わせる。
小山は特に気にする様子なく、稽古の準備に取り掛かる。
森本と秘密を共有できたことだけで、小山に対して優越感を感じている俺がいた。
……その日の稽古は、森本の白い肌がちらついて、全く集中できなかった。
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